Solution Report
金属ロール等光沢金属用の放射温度測定
Before
製紙工場、タイヤ工場、印刷工場等の各産業の生産工程では数多くの金属ロールが使用されている。ヤンキードライヤー、カレンダロール、ミキシングロール、圧延ロール等はどれもワークを加工、搬送する装置であるがその金属ロール表面は多くが鏡面仕上げの光沢面である。
ユーザーでは、この金属ロールの表面温度を正確にまたリアルに測定管理したいというニーズは従来から大きいが、ローリング熱電対のような接触型プローブによる測定が困難だった。
熱電対の先端が表面とこすれて頻繁に交換しなければならない、応答速度が遅すぎる、接触式測定では摩擦や周囲の空気からの熱伝導による誤差が生じる、などである接触式測定ではロールにダメージを与える為に常時測定は出来なく、また接触式センサー自体の劣化によるメンテナンスの問題もあるのが現状である。
一方で従来の放射温度計では鏡面仕上げの金属表面温度の測定は赤外線エネルギー量(放射率)が 低く、また周囲から侵入する赤外線の表面反射による外乱により、バラツキが大きく、精度よく測定することは困難とされている。測定できたとしても特に低温域では大きな測定誤差があった。
After
そういう中で金属表面から放射 される赤外線波長の中で2.0~2.6 µm領域が温度 による変化が大きくなるという性質から、その波長に絞った測 定により高い精度の測定が可能になるという事が分かった。
CALEXではその短波長の受光素子対応とそのレベルを更に安定させるアルゴリズムソフト対応の短波長放射温度計(PUA-2)が実現出来、ようやくユーザーニーズに対応できる評価を得られるようになっている。
金属ロールの表面温度を正確にまたリアルに測定でき多くのユーザーで導入が展開されている。例えば、フィルム、ラミネート、製紙工場、タイヤ製造などの金属ローラー表面の温度測定に使用され大きな成功を収めている。
尚、個々のユーザーニーズに対しては、各現場の周囲環境や測定仕様等で左右されますので必ず事前デモ評価や、低温域測定の場合、太陽光や高輝度光源からの干渉を避けるため測定エリアを暗くする必要等々の運用レベルの検討が必要である。
短波長放射温度計(PUA-2)による光沢金属ロール面の放射温度測定
概要
特徴
・業界初の短波長(2.2μⅿ)受光素子をサーモパイル方式で構成
ちらつきが少ない安定測定を実現
・クラスNo1の低温域測定(45℃) (特殊品25℃)
・小型アンプ内蔵方式で2線式センサーより現場設置が簡単
・USB対応ーPCによる各種設定、モニター、ロギングが可能
主な仕様
配線仕様
ソフトウェア
CALEXのホームページから無償ダウンロード可(WindowsOSに適合)
<測定値のモニターや設定>
設定項目:温度範囲、放射率、平均化、最大値、最小値ホールド処理、反射エネルギー補正
<温度チャート>
<データロギング>
各種測定履歴をExcelファイルに変換
アルミ板で比較検証例